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食洗器 vs. 手洗い ~魔法の言葉「時給換算」~

最近よく「食器洗い面倒だから食洗器買いたい」というのを耳にするので、手洗いとどちらが安いのかシミュレートしてみました。

条件設定

  • 食洗器は毎日1度のみ使うものとする
  • 食洗器でまとめ洗いはしない
  • 水道代は0.15円/ℓとして計算
  • 電気代は120~300kWh価格帯26.0円/kWhで計算
  • 手洗い時間は3人分で12.5分とし、5人分もこれに基づいて計算

まずは単純に比較

1回の洗浄でどれくらいかかるかは以下のようになりました。

手洗い(3人分) 手洗い5人分 食洗器(3人分) 食洗器(5~7人分)
水道代 6.75円 11.25円 1.35円 1.65円
電気代 0円 0円 15.60円 20.02円
洗剤費 6円 10円 10.40円 10.40円
合計 12.75円 20.80円 27.35円 32.07円

ここで、食洗器の費用を考慮してみます。耐用年数は6年とします。

手洗い(3人分) 手洗い5人分 食洗器(3人分) 食洗器(5~7人分)
水道代 6.75円 11.25円 1.35円 1.65円
電気代 0円 0円 15.60円 20.02円
洗剤費 6円 10円 10.40円 10.40円
食洗器代金 (47779円) (63200円)
食洗器1回換算 21.82円 28.89円
合計 12.75円 20.80円 49.17円 60.96円


「断然手洗いの方が安いじゃん!」そんな簡単な話ではないのです。

魔法の言葉「時給換算」

彼らは(誰)ここで「時給換算」というものを取り出すのです。
この「時給換算」という言葉は何かとよく持ち出されるのですが実体は結構謎だったりします。というのも、誰の時給かによって意味が多少異なります。

「あなた」の時給の場合

あなたは12.5分使って皿洗いをしています。あなたの時給を2,000円とした場合、416.67円の機会損失です。食洗器を導入してこの機会損失を取り返します。すると、

機会損失分(416.67円) ー 食洗器費用(36.42円) = 取り返すことができる損失分(380.25円)

となります。機会損失なので、食洗器が働いている間、あなたは働く必要があります
あなたが働かなければあなたの時給で換算する必要性はなくなります。
ただし、食洗器費用によりあなたの時給は1825.2円相当に減ります。

「食洗器」の時給の場合

あなたが洗っていた代わりに食洗器を雇って12.5分働いてもらいましょう。

(導入後費用 - 導入前費用 )×( 60 ÷ 12.5 ) = 食洗器の時給(174.82円)

食洗器が働いている間に遊ぼうが働こうが、「12.5分を26.42円で買って自由な時間を得ることができる」という意味でそれ以上でも以下でもありません。
単に「お金でもって自由な時間を得る」という意味であればあなたの時給で換算する意味はありませんし、ましてや380.25円得するわけでもありません。

あなたの時給での換算を考慮して比較

ということで、最後にあなたの時給で換算した場合を考慮して比較してみましょう。

手洗い(3人分) 手洗い5人分 食洗器(3人分) 食洗器(5~7人分)
水道代 6.75円 11.25円 1.35円 1.65円
電気代 0円 0円 15.60円 20.02円
洗剤費 6円 10円 10.40円 10.40円
食洗器代金 (47779円) (63200円)
食洗器1回換算 21.82円 28.89円
時給換算収入 ▲416.67円 ▲694.44円
合計 12.75円 20.80円 ▲367.5円 ▲633.48円

食洗器の導入により差額380.25円~654.28円を得ることとなります。

1回あたり380.25円~654.28円と言われてもよくわからないかもしれませんが、年間13万8,791円~23万8,812円分働いてくださいということです。